雨水で増える“配管トラブル”とは?
福岡の雨事情と対策を徹底解説
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1. はじめに:福岡は雨と共に暮らす街
福岡に住んでいると、「よく雨が降る街だ」と感じる方も多いのではないでしょうか。
梅雨の長雨、夏の台風、秋の秋雨前線…。さらに近年は、突然のゲリラ豪雨も増えてきました。
「庭や駐車場に水が溜まる」
「雨が続くと家の周りがじめじめする」
「気づいたら排水桝に泥が溜まっている」
こうした声は、福岡に暮らす方々から日常的によく聞かれます。また、工務店や不動産業の現場でも、こうした雨によるトラブルは施工計画や物件管理に影響を与えるため、注意が必要です。
ここで押さえておきたいポイントがあります。
福岡市をはじめとする都市部の下水道は分流方式 です。つまり、雨水と汚水は基本的に別々に処理される仕組みになっているため、雨が降ったからといって「下水臭が逆流する」ことは基本的にありません。
それでも、雨が建物や配管に与える負担は確実に存在します。
本記事では、「福岡の雨事情」や「雨水が引き起こす見えないトラブル」、さらに「実際の事例や解決策」について、詳しく解説していきます。工務店や不動産業の方にとっても、現場や管理に役立つ情報が満載です。
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2. 福岡の雨事情と下水の仕組み
年間を通じて雨が多い福岡
福岡は、気候的に雨の影響を強く受ける地域です。
• 6〜7月:梅雨
長雨が続き、1か月で400mm以上降ることも。
• 8〜9月:台風シーズン
強風とともに短時間で大量の雨が降る。
• 9〜10月:秋雨前線
しとしと長引く雨が続き、地盤や建物に湿気が溜まる。
特に都市部はアスファルトやコンクリートが多いため、雨水が地面に浸透しにくく、一気に排水設備へ集中する傾向 があります。
福岡市の下水道は「分流方式」
日本の古い都市では「合流方式(雨水と汚水を一緒に流す)」がまだ多く残っていますが、福岡市はほとんどが 分流方式 です。
• 汚水系統 → 台所・トイレ・浴室など → 下水処理場へ
• 雨水系統 → 側溝・河川へ直接排出
この方式のおかげで「大雨のたびに下水臭が逆流する」といったトラブルはほぼありません。
しかし、「雨水系統の排水口や雨樋にゴミや泥が溜まる」といった別の問題は頻発しています。
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3. 雨が建物や配管に与える“見えない負担”
では、雨水は実際にどんな影響を与えるのでしょうか。主なトラブルを見ていきます。
① 雨樋・雨水桝の詰まり
落ち葉や泥が溜まると、雨樋や桝があふれ、外壁や基礎に水が流れ込みます。
福岡市西区の一戸建てでは、雨樋が詰まったことでベランダから水が逆流し、外壁が黒ずんでしまった事例がありました。
工務店や不動産業の方にとっても、こうしたトラブルは物件管理や施工品質に影響するため、定期的な点検が重要です。
② 基礎・床下への湿気
水がうまく排出されずに基礎に滞留すると、床下の湿気が増えてカビやシロアリの原因に。
宗像市の住宅では、床下換気口の周囲に水が溜まった結果、畳の裏にカビが広がり、修繕に数十万円かかったケースもあります。
③ 配管内部の砂や泥の蓄積
大雨のときに砂や泥が一気に流れ込み、排水管の奥に蓄積。数年後に詰まりとして表面化します。
糸島市の住宅では、庭の排水が悪くなり調査したところ、排水管内部に泥が層になっていたことが判明しました。
④ 外構や駐車場の排水不良
駐車場や庭に水が溜まると、コンクリートの劣化や車両のサビの原因にもなります。
福岡市早良区の住宅では、大雨のたびに駐車場が水浸しになり、排水勾配を修正する工事を行ったことで改善しました。
こちらも工務店や不動産業の現場では、施工計画や維持管理の観点から注意が必要です。
4. ゲリラ豪雨がもたらすリスク
実際の豪雨データ
• 2025年8月 宗像市:48時間で598mm
• 福岡市西区・糸島市:1時間で110mm超
これだけの雨量になると、排水能力を大幅に超えます。
豪雨で起きやすい現象
• 一気に雨樋・桝が限界を超え、あふれる
• 側溝から水が逆流し、敷地に滞留
• 地下駐車場や床下に浸水
• 雨水が基礎を削り、建物を劣化させる
つまり「普段は問題ない配管や桝でも、ゲリラ豪雨が来ると一気に表面化する」ことが特徴です。
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5. よくある質問Q&A🔧
Q1. 雨の日だけ排水が悪くなることはある?
A. はい。雨水の流入で内部の泥が動き、一時的に流れが悪くなる場合があります。
Q2. 下水の臭いが上がってくることはある?
A. 福岡市の分流方式では基本的にありません。
ただし、雨水滞留によるカビ臭や湿気臭はあり得ます。
Q3. 自分でできる予防方法は?
• 雨樋・雨水桝を年に2回掃除
• 雨の後に庭や駐車場の水はけを確認
• 側溝のゴミや落ち葉を除去
Q4. どんなときに業者に頼むべき?
• 床下がカビ臭い
• 駐車場や庭に水が頻繁に溜まる
• 排水口からゴボゴボ音がする
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6. 実例紹介
福岡市中央区の住宅
雨樋に落ち葉が溜まり、外壁に雨だれが黒く付着。定期清掃で改善。
早良区の戸建て
庭の排水不良で水たまりが発生。勾配修正で解決。
糸島市のマンション
地下駐車場が浸水。事前に排水桝を高圧洗浄していたため被害は最小限。
宗像市の住宅
床下湿気で畳がカビだらけに。排水ルートを改良し解決。
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7. 専門業者に依頼すべきケース
高圧洗浄
配管内部に溜まった泥・油脂を徹底的に除去。雨の日でも詰まりにくくなります。
配管カメラ調査
内部の状態を直接確認できるため、余計な工事を省き効率的に修繕可能。
定期点検
マンションや集合住宅では特に重要。定期清掃をしておくと雨トラブルがほぼ発生しません。
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8. まとめ
雨と共に暮らす福岡で安心を守るために
福岡は雨が多い街です。
「雨で下水臭が逆流する」ことはありませんが、雨が建物や配管に与える負担は確実に存在します。
だからこそ、次のような対策が大切です。
• 雨樋や雨水桝の清掃
• 水はけや排水勾配のチェック
• 専門業者による定期メンテナンス
これらを組み合わせることで、資産価値を守り、快適な暮らしを維持できます。
また、工務店や不動産業の現場でも、こうした点検やメンテナンスは施工品質や物件管理の重要なポイントです。
地域密着で活動する 水道屋スマイリー では、福岡特有の雨事情を熟知した点検・清掃を提供しています。
「少しでも不安を感じたら、早めのご相談」が安心への第一歩です。